大きく4つあります
「だれが・いくら・いつ申請するのか」を、まずこの1ページで整理しましょう。
(産休中)
(産後パパ育休)
(男女問わず)
復帰した人
| 給付金の名前 | だれが対象 | いくら | 申請先 |
|---|---|---|---|
| ① 育児休業給付金 | 育休を取る人 (雇用保険加入/男女可) |
賃金の67% 181日目〜50% |
勤務先経由で ハローワーク |
| ② 出生時育児休業給付金 (産後パパ育休) |
産後8週以内に育休を 取る人(主にパートナー) |
賃金の67% 最大28日分 |
勤務先経由で ハローワーク |
| ③ 出生後休業支援給付金 2025年新設 |
夫婦ともに14日以上 育休を取った人 |
賃金の13% ①②に上乗せ |
勤務先経由で ハローワーク |
| ④ 育児時短就業給付金 2025年新設 |
2歳未満の子を育て 時短勤務で復帰した人 |
時短時賃金の10% | 勤務先経由で ハローワーク |
育休中の収入のメインは ①育児休業給付金(賃金の67%)。これに ③出生後休業支援給付金(13%)が上乗せされると合計80%になり、育休中は社会保険料が免除され給付金に税金もかからないため、手取りでは産休前とほぼ同じ(実質10割相当)になります。まずはこの仕組みを押さえましょう。
「育休を取りたいけれど、収入が減るのが不安」——これは出産を控えた多くの家庭が最初にぶつかる心配ごとです。でも、日本の育休の給付制度はここ数年で大きく手厚くなり、条件を満たせば育休中も手取りがほとんど減らないところまで来ています。
この記事では、産後にもらえる4つの給付金を 「だれが・いくら・いつ・どうやって申請するのか」 の順に、はじめての方でもわかるように一つずつ解説します。制度の名前が似ていて混乱しやすいので、まずは上の早見表を手元に置きながら読み進めてください。
・産休…出産前後に取る休み。この間は健康保険から「出産手当金」が出ます。
・育休…産休のあとに取る育児のための休み。この間に出るのが「育児休業給付金」です。
・産後パパ育休…産後8週以内に、通常の育休とは別に取れる休み。正式名称は「出生時育児休業」です。
まず確認:あなたはどれが対象?
4つすべてが全員に当てはまるわけではありません。下の質問で、自分が対象になりそうな給付金をざっくり確認してみましょう。
→ はい の人は ①②③④ が対象になる可能性があります。自営業・フリーランスの方は対象外です(別の制度あり)。
→ はい なら ①育児休業給付金 が基本。産後8週以内に取るなら ②出生時育児休業給付金 も。
→ はい なら ③出生後休業支援給付金(13%上乗せ)の対象。手取り10割のカギです。
→ はい なら ④育児時短就業給付金 の対象です。
①育児休業給付金
育休中の収入の柱になる、いちばん基本の給付金です。育休を取って給料が出ない期間に、雇用保険から支給されます。男女どちらも対象で、パートや派遣でも雇用保険に入っていれば受け取れます。
だれが対象?
おおまかに、次の条件を満たす人です。
- 雇用保険に加入している
- 育休開始前の2年間に、賃金支払いの基礎日数が11日以上ある月が12か月以上ある
- 育休中の就業が、1か月あたり10日(または80時間)以下であること
いくらもらえる?
金額は「休業前の賃金」をもとに決まります。計算のもとになるのは、育休前6か月の給料の合計を180で割った「休業開始時賃金日額」です。支給率は休む期間で変わります。
- 育休開始〜180日目まで:賃金の67%
- 181日目以降:賃金の50%
育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)が免除され、給付金には所得税・住民税がかからないためです。給料のときに引かれていたものが引かれないので、額面67%でも手取りでは約8割相当になります。
給付金には上限があり、支給率67%のときは1か月あたり332,454円が上限です(2026年8月改定)。高収入の方は、賃金の67%そのままではなくこの上限で頭打ちになります。
いつ・どうやって申請する?
申請は基本的に勤務先が代行してくれます。自分でハローワークに行く必要は通常ありません。
原則、育休開始の1か月前までに申し出ます。
母子健康手帳の写しや、給付金の振込先口座がわかるものなどを求められます。
初回の申請を会社が行います。以降は原則2か月ごとに会社が申請します。
初回は育休開始から振込まで2〜3か月ほどかかることがあります。その間の生活費は見込んでおきましょう。
②出生時育児休業給付金(産後パパ育休)
子の出生後8週間以内に、通常の育休とは別枠で最大28日間取れる「産後パパ育休」を取った場合の給付金です。名前の通り主にパートナー(父親)が使う制度ですが、養子などのケースでは母親が使うこともあります。
だれが対象?いくら?
対象の条件は①の育児休業給付金とほぼ同じで、雇用保険に加入していることが前提です。金額も賃金の67%で、最大28日分が支給されます。出産直後の一番大変な時期に、収入を気にせず家庭に入れるようにするための制度です。
産後パパ育休(②)を使ったあと、続けて通常の育休(①)を取ることもできます。その場合、②の28日分は①の「67%で支給される180日」に通算されます。「別物を2回もらえる」というより、育休の最初の部分を別枠で取れるイメージです。
③出生後休業支援給付金 (2025年4月新設)
この制度が、近年いちばん注目されている「手取り10割」のカギです。2025年4月に新しくできた給付金で、①や②に13%を上乗せしてくれます。
だれが対象?
最大のポイントは「夫婦そろって育休を取ること」です。
- 子の出生直後の一定期間に、両親がそれぞれ14日以上の育休を取得すること
- (ひとり親の場合や、配偶者が専業主婦・主夫などのケースは、本人のみの取得でも対象になる例外があります)
どちらか一方だけが育休を取っても、この13%上乗せは原則つきません。パートナーと「いつ・何日ずつ育休を取るか」を事前に話し合っておくことが、手取り10割を実現できるかどうかの分かれ目になります。
いくら・どう効く?
対象となる最大28日間について、①②の67%に13%が足されて合計80%になります。前述の社会保険料免除・非課税と合わせると、この期間の手取りは産休前とほぼ同じ(実質10割相当)になります。
※上限額:支給率13%分の上限は1か月あたり60,205円(2026年8月改定)。
申請方法
①②と同じく勤務先経由でハローワークに申請します。多くの場合、育児休業給付金の申請とあわせて会社が手続きしてくれます。配偶者も育休を取っていることを確認する書類(配偶者の育休取得がわかるもの)が必要になるため、夫婦それぞれの勤務先で手続きが必要になる点に注意してください。
④育児時短就業給付金 (2025年4月新設)
こちらも2025年4月にできた新しい給付金です。育休そのものではなく、育休から復帰して時短勤務にしたときに、減ってしまう収入を補ってくれます。
だれが対象?
- 2歳未満の子を育てている
- 時短勤務(所定労働時間を短縮した働き方)をしている
- 育休から引き続き時短で復帰した人、または時短開始前2年間に雇用保険加入が12か月以上ある人
いくらもらえる?
時短勤務中に実際に支払われた賃金の原則10%が支給されます。「時短で給料は減るけれど、その一部を国が補ってくれる」という位置づけです。
「給付金+時短中の給料」の合計が、時短前の給料を超えないように自動で調整されます。そのため、賃金の下がり方が小さい場合は給付率が10%未満になることもあります。
※支給限度額:1か月の賃金が484,121円以上の場合は給付の対象外(2026年8月改定)。賃金と給付金の合計がこの額を超える場合は、超えた分が減額されます。
申請方法
①〜③と同じく勤務先経由での申請が基本です。時短勤務を始めたら、勤務先に「育児時短就業給付金を受けたい」旨を伝え、必要書類を提出します。
よくある質問
育休給付金は申請してからどのくらいで振り込まれますか?
パートやアルバイトでも育児休業給付金はもらえますか?
夫婦どちらも育休を取らないと手取り10割にはなりませんか?
自営業・フリーランスでも育児休業給付金はもらえますか?
育休中に少し働いたら給付金はもらえなくなりますか?
まとめ:この3つを押さえれば大丈夫
社会保険料免除+非課税で、手取りでは約8割相当。まずこれが基本です。
両親そろって取れば13%上乗せ(出生後休業支援給付金)。事前の話し合いが分かれ目です。
自分でハローワークに行く必要は通常ありません。妊娠がわかったら早めに勤務先の担当部署へ。会社独自の出産祝い金などがある場合もあるので、あわせて就業規則も確認しましょう。
この記事の金額や条件は2026年10月時点の情報です。上限額は毎年8月に改定され、制度も見直されることがあります。実際の申請前に、必ず勤務先の担当部署や、 厚生労働省「育児休業等給付について」 、お住まいのハローワークで最新情報をご確認ください。

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